三十分以上遅刻した部活では、部長の大輔から面白がって正座を命じられた。


「大輔。そんなことさせないでよ」


「えっ? 冗談だったのにみのりが勝手にしたんだよ」


「……小夜、いいんだ。させて下さい」


こんなわたし、これだけじゃ足りないけど。


「みのりがやりたいなら放っておくけど、何かあったの?」


「コテンパンでした。相手が正解な上、ケチョンケチョンに叩きのめされました。だから」


「――、そう」




金子さんは正解だ。


百瀬も。


困ってる人を見捨ててなんてほしくない。さっきの百瀬は正解だ。


わたしだけを優先なんて嫌だ。ちゃんと自分を大事にしてほしい。


……なのに、わたしの目の前でわたし以外を助けたことにショックを受けた。どこまで歪んでいるんだろう。




ねえ、百瀬。唯一無二だって言ってくれたわたしは、こんなものだよ?