「百瀬っ」
「僕が、困るかもしれないとか考えた? そんなの構わないって見てて分からない? そもそも見てなかったのかな? ――そうだよね。別に僕たち、付き合ってるわけじゃないんだし」
「違うっ!!」
違うのに。本当に違うのに。
でもそんな台詞、今のわたしから発しても空気より軽いだけで。
「みーちゃん、ごめんね」
なのに、いつもみたいに、百瀬は優しく微笑んだ。
こんなこと前にもあった気がする。百瀬は、いつもわたしを優先する。
「百瀬……」
なんだろう。
……泣きそう、だ……。
「卑怯です。日紫喜みのり、さん」
「っ!?」
女の子の声がした。
突然。