慌てて廊下との境界線で引き止める。
「ちょっと百瀬っ。まさか間宮くんのとこ行くとかっ?」
「当然だろ。でもみーちゃんには関係ない。僕が勝手にそうするだけだよ」
「いやっ、そういうのやめようよ。わたしの問題だし」
「っ」
「ね? 百瀬」
「……そんなふうに、言うんだね」
あっさりと、百瀬は歩みを止めた。横顔しか見せてくれない。けど、傷ついていた。
「ごめん。けどわたし、百瀬に危ないことはしてほしくない」
これ以上の負担や迷惑を、もうかけたくないだけなんだよ?
でも、それはかえって傷をつける行為だったと、百瀬が返す言葉で気づくなんて……。
「写真、撮られたんだよね。……僕とのああいうこと、広められるのが嫌だっただけなんじゃないの?」