「でもさ、それは百瀬に都合良すぎやしないかい? 色々とオイシすぎるだろう。男子側としては」


みなまで言わなくても、間宮くんは諸々を理解をしたようで、少しここじゃない何処かを見ながらのそれは、図書室での百瀬とのことを浮かべられているようで居心地が悪くなった。


「違うよ。わたしは思わない」


涙は止まった。落としてしまった埃まみれのおにぎりには謝って、残りは食べないままお弁当箱の蓋を閉める。


「わたし、もうお腹いっぱいだから。約束は果たしたから行くね」


「ああそうだね。けれど、何処かで顔は確認していったほうがいい」


「お気遣いどうも」


生徒会室からは、困難なかとなく退出できた。最後に嫌味のひとつでも言われるかと密かに覚悟はしてたんだけど、間宮はそうしてこなかった。少し肩透かしだ。




教室へと戻る途中トイレに立ち寄ると、鏡の中のわたしはそんなに滅茶苦茶じゃなく。確認するからと至近距離に近付いた水垢のない女子トイレ内の鏡は、丁寧にそのことを教えてくれていた。痒い目を少し擦った程度?


「あ~、でも泣きましたってのは分かるかな。白眼部分が赤い」


別に構わないけど、まだ昼休みは終わっていないし、時間をどこかで潰していこうか。そうしたら回復するはず。


「みーちゃんっ!!」


なんて、トイレから出て誤魔化し方法を考え歩いていたら、百瀬が前方から全力疾走してきた。