「……責められるのかな? わたし」


お身内なら、それは受け止めるべきことだと思う。色々な事情が双方にあったこととはいえ、失礼な態度をわたしはとってしまっていたと思う。


なのに、間宮くんは首を横に振った。


「え、何故に? 何故に日紫喜を?」


「だって」


わたしは……。


「むしろ、ボクが謝る場面なのにかい?」


「いや、それは違うと思う」


「いや、そうだろう。あのときのことは、やはり怖かったに違いない。こちらの事情がどうであれ、ね」


「えっと……」


「それにさ、これも実はなんだけど、ボクは家族から頼まれていたんだ。じいさまが日紫喜に何かしないように気を配るようにと」


そんな事実に全く気づかなかったけど、知ったからといってどうにも反応し難い。


「……」


「けど、その役目は百瀬が勝手にやってくれたわけだ。色々と心苦しくてさ、白状をしたかったんだ。すまないね」


わたしのいたたまれなさを読み取ってくれたかのような間宮くんの台詞を聞いて、少しだけ、溜飲を下げた。