「…………」


「前なら、わからないってすぐに言うだろう? 答えられないくらい、何かがみーちゃんの中で変化してきてくれてる」


それは、わたしも感じてる。


「きっと、最初はなんの考えもなく僕に繋がれてた手が、最近は力が入って緊張してた。僕はそれを離されないようにって必死だった」


あれは……百瀬の力が最近は強くなって……落ち着かなかっただけ。


「そんなふうにされてさ、嫌がられてる空気も感じなければ、調子乗っちゃうじゃないか。なるべくふたりきりになろうってしちゃうじゃないか」


そんなふうには見えなかった。百瀬は、ごく自然にいたと思ってた。


「……バカ、百瀬」


でも結果オーライだと、百瀬は開き直る。


「洋助さんに別れも言えたし。それに――」




ふわり。


一度離れた距離がまた縮まる。


男の子の百瀬に包まれる。


「――成果あったって、思っていい?」


百瀬もわたしと一緒なんだ。わたしは、さっきのその質問にまだ答えていなかったから。わたしを包んでくれた身体は、やけに強ばっていて、余分な力があっては明日はきっと筋肉痛になるだろうと感じるくらいだった。


わたしは……。