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それからも、わたしたちは変わらず夏休み中の部活へ通う。
百瀬は常にわたしと一緒に登校。大輔と小夜は、部長副部長の用事があるから、日によっていないことがある。もう終わったけど、大会もあって雑務が忙しいみたいだ。
「百瀬もプール泳ぎにきていいんだよ。部長に了解とろうか?」
大輔なんか、きっと大きく頷くに違いないけど。
「いや、いい。僕は図書室でないと困るんだ」
「? 変なの。授業のは楽しく泳いでるんでしょ?」
どうやら、部活に付き合ってくれる理由は、体力づくりではないみたいだ。初日に立ち眩んでしまったからとはいえ、確かに貧弱ではない。少し日に焼けたから、見た目も弱そうではなくなった、気がする。日焼けで鼻の頭の皮が剥けることはもうなくなった。
訊きそびれた百瀬の理由――それは、推測するに、おじいちゃんを気遣う為かもしないと思う。
図書室の窓からは、バス停のベンチがよく見えていた。
どれだけ御家族が気をつけていても、おじいちゃんは、いつものベンチに花束と共に座っている。若干回数が減った程度だ。そこに、百瀬が一緒に座っているところを時折見かける。プールから見える一角を発見したのだ。飲み物を渡していたり、ご家族の迎えを一緒に待っていたりしていた。炎天下は危険だからと。
何もしなくてもいいと言われたけど、気にかけなければいけない部分はやっぱりあって、それをしていてくれるんだ。