けど、おじいちゃんのことに関しては、これ以上わたしには対処できない。申し訳ないとは思うけど。
部活日とおじいちゃんがやってくる日が重なると、花束を差し出される。
わたしはやっぱり、逃げてしまう。
今日は四人で。
朝はいなかったけど、帰りに姿が見えた。一旦昇降口に戻って、百瀬が職員室へ走ってくれた。竦んでしまったわたしに、そっと小夜が寄り添ってくれる。大輔が嫌な素振りなどひとつもせずに大きなあくびをする。
「ごめんね、みんな」
百瀬が戻ってきたタイミングで謝ると、必要ないとみんなに怒られた。
「うん。でもごめん。わたしは、間違ってるかもしれないけど、やっぱりこうしかできないから。みんなにも、もう少しの間迷惑かけちゃう……なんでかなって、昨日考えてたの」
昨夜、ベッドで頭までタオルケットを被り、その中で考えた。
原因らしきものはたいしたことじゃない。何もなかったんだから。小夜だって同じ現場にいたのに。
「小学校の頃、ちょっと不審な人に遭遇したじゃない。あれ以来、そういえばわたし、追いかけられるの苦手になったかも。今が同じ状況なんて思わない。けどやっぱり、苦手なものは苦手なんだよ」
漠然とした恐怖はなくなったけど、そこは引きずっていたみたいで。
「けど、おじいちゃんに負担になることでもあるから、何かいい方法があればいいんだけど……」
それは、まだ思いつかない。