「多分……」
心配そうに呟かれる声が、左の耳に心地よく響く。
「ん?」
「うん。多分、みーちゃんに色んなこと言う人が、少しの間いるだろう、って」
「――」
「例えば、花くらい受け取ればいい、とか、そういう感じのこととかも」
それも、正解のひとつなのかもしれない。
「だね。……でも……」
わたしは……。
「でも、それを出来ないみーちゃんが、このことを軽く考えてないってことを、僕は知ってる。大輔たちも」
わたしは、やっぱり怖くてたまらないんだ。
「ありがと」
「今日の放課後も、明日からも、夏休みも、ずっと、僕が一緒にいるから」
「でも……」
「遠慮なんかされたら、僕はきっと死んでしまう」
「物珍しくて?」
「心外だ。僕だって、そうすることで色々と実入りがあるから問題ないよ。ちょっと、通う理由が出来たんだ」
「その理由にもよるでしょ」
それは、秤にかけて同等か。そっちのほうが重いものだったらいいなと思う。