「ごめんなさいっ」
翌日、なかなか捕まらなかった間宮くんを呼び止めることができたのは放課後のことだった。
今日は生徒会の大切な用があるからと急かされたわたしは、間宮くんの後を追って生徒会室内へと連なる。
そして、開口一番に可能な限りに謝った。頭も大きく下げて。
「……」
「わたし、間宮くんの気持ちには応えられません。ずっと、間宮くんを信じなくてごめんなさい。すぐに返事できなくてごめんなさい」
「……――、そんなに、ずっと下を向いていると脳によろしくないよ、日紫喜。傷にもそうだ」
「でも」
「いいから。……首、平気か?」
「あっ、昨日よりましかな」
見上げた間宮くんの顔は眉を寄せていた。ガーゼが充ててあるわたしの首を見て、まるで自分の痛みみたいな顔をする。
「待ちぼうけでも、構わなかったよ」
「……え?」
まだまだ、困ったように、間宮くんはこめかみ辺りをしきりに触る。
「日紫喜の中の大切な人の順位。そこの、上位者くらい把握していたよ。恋愛の情では当初はなかったかもしれない。けれどそんなことは些末だ。……ボクが圏外だったことが悲しかった」
「それはっ……」
「当然だ。ただのクラスメイトだったのたから」
だからだと、間宮くんは続けた。