「こんなわたしでごめんなさい。好きで好きでごめんなさい。百瀬はいつも優しいのに、わたしそうじゃなくてごめんなさい。自分のことばっかりで……っ!?」
「みーちゃんっ」
謝るばかりの声をもう聞きたくなかったのか、百瀬は立ち上がり、わたしの頭を包み込むように抱きしめた。
でも……と感じてしまう。わたしは、そんなに優しく扱ってもらえるいい子じゃない。
抱きしめられたまま、百瀬の胸下あたりでまだ続きを。
最低なわたしを。
「気づいたの。わたしは、百瀬が大好きなんだって。でも、百瀬と言い合いになって、百瀬が金子さんを心配してわたしを置いていって、あの位置にいるのはわたしって嫉妬して、引き留めたくなって……初めて、好きって意識したの」
「――うん。ごめんね。あのときは」
「謝らないで」
「でも、僕はいつでも、みーちゃんを優先するって決めたのに」
「しなくていいのっ」
「それでも、可能ならそうしたいって思ってるよ」
抱きしめられたのは、もっと別の感情からだと、ようやく分かる。
「あんな場面で意識したわたしを信じてもらえる?そもそも、そんなわたしは大切にされていいの?……って、伝えられなかった。それに……」
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