油断してしまってた自分が情けない。『--------』だから何だというのか。わたしたちとは違うから心配しなくていいなんてことはなかったのに。苦しいは苦しいのに。同じなのに。


倒れていく金子さんを、彼女が膝から地面に崩れ落ちるまで、わたしはその光景をただ見るだけにしてしまった。


「金子さんっ!?」


「金子さんっ!!」


「えっ?」


動きが遅れたわたしの横を誰かが疾風の速度で駆け抜けていった。


「金子さんっ」


「もっ……」


わたしはそれにショックを受ける。


金子さんが蒼白の顔を上げる。


「大丈夫っ?」


なんでここにいるんだろう。


どうして分かったの?


どうして……


「っ、平気ですよ。――――――百瀬、さん」






……どうして、わたしなんてここにいないみたいに走っていったの?