……………………え?


「百瀬さんには、伝えていました」


けど……


「突拍子もないことなので、信じてもらえたかは分かりませんが」


それはそうだよ。


「それはそれで構いません。認識してもらえなければ消える、という存在ではどうやらないようですので。ただ、図書室に縛られているだけのことです。ずっとあの場所にさえいれば、可能な命です」


命だなんて可笑しいと、金子さんは苦笑した。


だから、消えてしまうということ?その蒼白の顔も。


「消えてしまうけれど、充分に猶予はあったのですし、随分許されていたので構いません。――最後に、やりたいことをさせてくれる、神様の優しさだったのでしょうか」


「神様って……」


信じ難いことこの上ない金子さんの告白に頷けないまま、ここに来るまで先生に見つからなかったことや、いつも、図書室でいつの間にか突然に現れる様子を並べられる。それは自分が見つけてもらえない存在だからだと。


「別に、信じてなどとは言いませんけれど」




「なんで、わたしにそれを?」


真実だと、例えそうだとしても、金子さんが大嫌いだと言ったわたしにそれを伝える意味が全く理解できなかった。