「ごっ、ごめんなさい……」
「……みーちゃんが謝ることなんて目に見えてたけどさ、それされると僕は辛いだけだ。振られるわけでもなく、宙ぶらりんのまま。なのに怒っていいとか言われるし」
「だって……っ」
「いつまでも待つ覚悟はあるよ。けど、みーちゃんは答えを出すのをしたくないだけに僕は見える。ずっと今のまま世界が変わらなければいいって夢見てる。怖い嫌だそんなの寂しいって見ないふりばかりだ。……間宮にも同情を少しはするよ。きっとみーちゃんは、あいつを全く信じてない。いずれ終わっていく戯れ程度にしか考えてない。そうなれば、ほら、頭を悩ませずともいつもの日常が戻ってくるって」
「そんなことっ」
「あるだろう?……このことだけじゃないよ。みーちゃんは、ずっと皆一緒が好きで、過ぎていく穏やかな日々しか認めなくて、それ以外の選択肢は大嫌いなんだ。凄く臆病で、自分なんかっていつも思っていて」
恥ずかしいくらいに図星だった。変わっていくことに、わたしはひどく敏感で、それがとても怖い。わたしの周囲は幸せで、とても大切で、いつかそれらが消えてしまうのが怖い。
大切な人を失ってしまったら、わたしはきっと立っていられない。
夏の日以来、わたしはそれを余計に考えていた。