一瞬固まったわたしは、その僅かな間に間宮くんから頭を撫でられ。
その撫でた手が頬をかすめていき、その指先が耳をなぞっていく。
「やっ……」
首筋を流れていき、制服のリボンに手がかかった。
「やめてあげないよ」
「やっ……やだっ!!」
やっと突き放すことが出来た。けど、掴まれていたリボンが解放されることは叶わず結び目はほどけていってしまった。
「あーあ。残念だ」
リボンが無くなったくらいではだける制服じゃない。けど、わたしはその辺りを守るように自分を抱きしめる。
「……返してよ」
「だったら、もう一度ボクの方へ」
「嫌」
少しだけ、間宮くんは視線をさ迷わせ、
「――分かった。不本意ではあるけど、もうタイムリミットなようだからね」
長い腕を伸ばして、リボンはわたしへと返された。
「……」
「――」
お互いに、なんの音も発しなかった。