「――ドッキリ?」
「こういうの、もうやめようよ。わたしを好きとか、会いたいとか」
「本気、なのにかい?」
頷いた。
「そもそも、日紫喜はボクを信じてもいないのに、それを言うのかい?」
頷いた。
「それは……」
初めて言葉を途切れさせた間宮くんが、間を置いて出した返答は、わたしが望んでるものじゃなくて。
「……それは、納得出来ないな」
「っ、でもっ」
突然にぐいと身体を寄せられた。
「もう分かったとかなら良かったのにね。それならば、ボクもこんなことしなかったのに。本当にお馬鹿さんだね、日紫喜は」
椅子を引き寄せられ、背中に手を回される。
「まっ!?」
「前言撤回。約束は全て反古にするよ」
わたしの身体は傾いて、間宮くんの胸の辺りにおでこがぶつかった。
「日紫喜は、本当に馬鹿な子だ」