……


「百瀬……ごめん」


やっと絞り出せた一言に、百瀬がおうむ返しをする。


「みーちゃん、ごめんね」


「なっ、なんで百瀬がっ」


「邪魔したかも、しれなかったから」


「そんなことないっ!! ……助かった、から」


「――そう? なら、良かった」


「本当、だから」


「うん。……でも、盗み聞きしてたことは、ごめんね」


「っ。……それは別に……」


だったら、百瀬はなんで怒らないんだろう。


なんで、そんなに泣きそうで、今日も優しいんだろう。