その後、宿屋を探した。





ギーゼフが「あ!あそこに宿屋があるぞ!!泊まろう!!」と言った。

ゼドルが「そうだな!!」と言った。





「すいませ~ん!!ここに泊めてください!!」

「はいよ」





ゼドル達は、その宿屋に泊まる事になった。

その夜、ゼドルとミリカは、外で話した。





「今日のゼドルもカッコ良かった~!!皆、手こずるような相手の弱点を見つけて倒すなんて、さすがゼドルだね!!それに、私は、魔法の事、良く知らないから良く分かんないんだけど、難しい魔法も使えるみたいだし、さすがリーダーだね!!」

「そうか?」

「うん!!」

「まぁ、俺は、リーダーとして、重い責任を背負ってるし、依頼人だけじゃなく、仲間の皆も守らないといけないからな」

「そっか!やっぱり凄いね!!17歳なのに、威厳と責任感が凄くあるね!!さすがリーダー!!」

「ありがとう」

「あ、でもさ・・・」

「ん?」





「そういえば、ギーゼフさんって、何で、戦う時、いつも魔法を

使わないの?」

「あ~・・・・・・、アイツは、〝使わない〟んじゃなくて、〝使えない〟んだ。魔法を」

「そうなの!?」

「うん。アイツは、昔、魔法が使えない事で、たくさんの人達に差別されてたんだ」

「そうなの!?」

「うん。けど、まぁ、元からの才能もあったから出来たんだけど、差別されないように、血が滲むほど鍛えて、身体能力をかなり高めて、魔法使いと互角に戦えるようになったんだよ。アイツは、この店で唯一、魔法が使えないメンバーなんだ」

「へ~!!そうなんだ~!!すご~い!!!魔法が使えないのに、

魔法使いと互角に戦えるなんて、カッコ良い~!!!」

「だろ?!」





「うん!!でも、この世界には、魔法を使えない人もいるんだね」

「うん。魔法が使えるか使えないかは体質の問題だからね。使える人も多いけど、使えない人も多いんだ。で、魔法が上手く使える人ほど優位に立てるけど、使えない人は、差別されたり、奴隷にされたりしてて、身分も低いんだ」

「そうなんだ・・・・・・大変なんだね・・・・・・あ!もしかして、この前、ゼドルが言ってた、〝魔法が使える事は良い事ばっかりじゃないって、そういう事なの・・・・・・?」

「まぁ、それもある。ギーゼフも、とても大変だったらしいからな」

「でも、ギーゼフさんは、ちゃんと居場所を見つけられて良かったね!!」

「そうだな!!」





その日、ベッドで横になりながら、ミリカは考え事をしていた。





そういえば、ギーゼフさん、いつも、1人だけガムを噛んでなかったな~。それにしても、魔法によって差別があるなんて・・・・・・

ここは、私がずっと夢見てたような、ただ〝ロマン〟があるだけの世界じゃないんだ・・・・・・とても過酷なんだ・・・・・・