テロリスト達を止めた少年は、ミリカに声をかけた。





「君、ケガはなかった?」

「なかったです」

「良かった。でも、怖かっただろ?」

「はい・・・まぁ・・・」

「まぁ、そうだよな。あんな光景見ちゃったら、怖いに決まってる」





「あの、あなた、一体何者なの?」

「俺?ただのガードマンだよ」

「ガードマン?いや、でも、今、手を触れずに銃弾を止めたり、

半回転させて飛ばしたりしたでしょ!?」

「あ~、アレは、魔法だよ。〝handling (ハンドリング)〟っていうね」

「え!?魔法使いなの!?」

「そうだけど・・・それがどうしたの?」





「アレ、魔法だったんだ!!」

「何をそんなに驚いてるの! (笑)魔法なんて、そんな珍しいものじゃないでしょ」

ミリカは、そこで、その少年が魔法使いである事を知ると同時に、

ここは現実世界ではない事を認識した。





「私の幻想は、ホントにあったんだ!!」と小声で呟いた。

「ん?」

「いや~!何でもないです!!何でもないです!!アハハ・・・」





つい、口から出てしまった言葉を、テレながら慌ててごまかした。





「あ、そうだ、君、名前、なんて言うの?」

「私?ミリカ」

「そうか。俺は、ゼドル。よろしくな!!」

ゼドルは、ミリカの手をギュッと握り、強く握手した。

「え!?やだ!!私、こんなカッコ良くて強い人に握手されちゃってる!!!」

ミリカは、思いっきり顔を赤くした。

「ん?どうしたの?顔、凄く赤いよ。熱でもあるの?」

「いえ!!熱なんかありません!!大丈夫です!!元気です!!ア・・・アハハハハハ・・・」





「あ、そうだ、ちょっと、ついてきてもらって良い?」