窓ガラスの割れる音が聞こえた。





「こんなところで暴れちゃダメだ。大人しくしな」

「え!?」





何やら、とても気の強い美少年が窓ガラスを割って列車に入って

きたようだ。

少年は、ガムを噛んで、風船のように膨らませていた。

まるで、全く緊張などしていないよう。





「あ?お前、俺達にケンカを売る事がどういう事か分かってんのか?」

「いや、ケンカを売るも何も、そもそも、こんなところで暴れてるあんたらが悪い」

「何だと~!!おい!!コイツをやっちまえ~~~!!!」

「オラ~~~!!!」





「しゃあねぇな~。無駄なケンカはしたくないんだけどな~」





その時、少年が膨らませたガムが弾けた。





〝バン〟





すると、なぜかガムが消えた。





テロリストの男達は銃を発砲した。





〝バンバンバン〟





少年は、銃弾に手をかざした。





〝シュ~ン〟





すると、全ての銃弾が一瞬止まり、ひっくり返ってテロリスト達の

方向に飛んだ。

しかし、その銃弾は、テロリスト達にはスレスレのところで当たらず、全て壁に当たり、いくつも穴を開けた。

もちろん、少年がわざと外したのだ。





〝ドンドンドン〟





「ヒィ~ッ!!!」





「だから言ったんだよ。あんた達が暴れるから、こうなっちゃうんだよ」

「な、何だコイツ!!とりあえず、逃げるぞ!!」

「悪あがきするな」





〝ボコ〟〝ボコ〟〝ボコ〟





少年は、持っていた剣の鞘の部分でテロリスト達の急所を突いて気絶させた。





〝ドサッ〟





ミリカは、

(何この人!!カッコ良い~!!!)と思った。





しばらくして、テロリスト達は、連行された。