その話を聞いた後、遊舞は、

男子、女子、色んな友達と話しながら帰った。





同級生の友達の「宙尾泳そらおおよぐ」が話しかけてきた。





「なぁ、遊舞、先生、今日は、朝、

あんな事、言ってたけど、どう思う?」

「う~ん・・・」

「俺は、もう、やりたい事、決まってるぜ!!」

「え?それは何?」

「宇宙飛行士だよ!!」

「へ~!!カッコ良いな~!!そういえば、泳、

体力もあって、運動神経も良くて、修学旅行の時も、バスどころか、

そこのテーマパークのどの絶叫マシンでも、全く酔わなかったし、

全然怖がってなかったもんな~!!凄いよな~!!!」

「だろ~!!!」





次に、「音田奏おとだかなで」がこう言った。





「私は音楽家!!お父さんがヴァイオリニストで、お母さんが

ピアニストで、今、私、どっちも練習してるけど、出来たら、

どっちにもなりたいのよね!!欲張りで贅沢だけど!!!」





そんな彼女に対し、遊舞は、

「そんな事ないよ!!本気で叶えたい夢が2つもあるなんて、

素敵じゃないか!!ぜひ、頑張ってよ!!!」と言う。





その次に、「薬羽研一 (くすりばけんいち)」は、

「僕は、薬剤師!!薬の事、いっぱい研究するんだ!!」と言う。





遊舞は、研一に

「へ~!!これまた、厳しいけど、凄い夢だ!!」と言った。





「遊舞の夢は?」と、一緒にいた皆が遊舞に聞いた。





「う~ん・・・僕はまだ、決まってないんだ~」と言う。





しかし、奏は、そんな遊舞に対して、

「まだまだ大人になるまでに時間はいっぱいあるし、

遊舞は遊舞で、ゆっくり決めれば良いのよ!!」と言った。





「そっか!ありがとう!!」と遊舞が答えた。





歩いていくと、方向の違いにより、

あいさつをしながら一人ずつ別れ、最後、遊舞は、

一人になりながらも、家へ向かって歩いていた。





帰りながら、こんな事を思っていた。





(皆、もうこの年で既に夢、持ってて、夢のために

今からもう、頑張り始めてるなんてな~。なのに、

僕なんて・・・・・・)と。





この時、遊舞は初めて、自分がいつか就く「仕事」について

考え始めた。