たっぷり遊んだ後、本日のメインイベントである呑み会を

するため、居酒屋へ向かった。





しかし、

向かう最中、悩んでいる中年の夫婦を見かけた。





「どうしたんだろ?」





その事に、同僚達は気づいていない。





「どうした?霧河」

「いや、何でもない・・・・・・」





そして、

居酒屋に着き、飲み会が始まった。





「カンパ~~~イ!!!」





しかし、

霧河は相変わらず、酒は飲まず、飲むのは

コーラやメロンソーダやオレンジジュースのような

ソフトドリンクばかりである。





「お前、やっぱ、そこは譲らねぇんだな~」

「ん?あ~、コレ?ごめん!!やっぱ、

どうしても、酒は、僕の口に合わないから飲めないんだよ」





やっぱり、本当の事は言いづらいし、もし、言うと、

同僚達に気を遣わせて、同時に、

かなり空気を重くしてしまうため、

「両親が相手の車の飲酒運転による交通事故で死んだ」という

トラウマがある事は言えない・・・・・・





「でも、霧河、今日は安心したよ」

「ん?何が?」

「いや、お前、俺達の遊びや飲み会の誘いは

断る事がめっちゃ多くて、

〝ひょっとしたら俺達、お前に嫌われてるんじゃないか?〟って

心配してたんだよ。前にお前抜きで呑み会に行った時も、

実は、俺達、そんな話、してたんだけど。だけど、

ゲーセンにしろ、パチンコにしろ、誘いに乗らない理由が

〝俺達が嫌われてるから〟じゃなくて良かったよ。ちゃんとした

理由があったんだな!!まぁ、さっき言ってたあの話を聞くと、

多分、居酒屋が苦手なのも、同じような理由だろうけど・・・」

「ん~・・・まぁ・・・そうだけど・・・」





「やっぱりな。でも、悪かったな。苦手なのに、何度も

付き合わせようとして・・・実際、今日はもう、

無理やり連れてきちまったし」

「あ~、いや~、僕の方こそ、いつも誘いを断ってばかりで

ごめんね!!それに、いつもは断ってるけど、今日は皆と遊んで

みて、凄く楽しかったし、今日の事は全部、良い思い出に

なったよ!!それに、ゲーセンも居酒屋も、確かに騒がしいけど、皆と一緒に楽しめば、意外と気にならなかったし!!!」

「そっか!!なら良かった!!!」

「うん!!!」