―ここでまた、現在の〝喫茶窓際族〟に情景は戻る―
霧河が店長・窓河に「へ~!そうだったんですね!!
とっても良いお話ですね!!」と言った。
「そうか?(笑)」
「はい!!」
「〝窓河さん〟なんですね。何か、僕と苗字が似てますね」
「そうなの?お客さんは、なんて名前なんだい?」
「〝霧河竜令きりかわりゅうれい〟です」
「へ~!!確かに、苗字の方は俺と似てるな~!!」
「はい(笑)。何か親近感沸きます(笑)」
「苗字が似てるってだけでか?(笑)」
「いや、それだけじゃなくて、店長さん、いや、
窓河さんと僕が少し似ていると思って」
「そうか?どんなところが?」
「〝一人ぼっちだった〟ってところです」
「へ~。お客さん、いや、霧河さんも、一人ぼっちだったの?」
「はい。というより、今も、一人でいる事は多いし、
相変わらず一人が好きです」
「そうか~。そういや、さっき、〝幼い頃に両親を亡くした〟って言ってたな」
「はい。正直言うと、あの時から僕は、ずっと一人だと
思ってました。けど、最近、会社で突然、
倒れちゃって、その時、夢の中に両親が出てきて、
母が〝心配してくれる良い友達が出来た〟って言ってくれて、
目が覚めたら、お茶を持ってきてくれた仕事仲間に
〝自分の身体を大事にして〟って言ってもらえて、
〝僕はもう孤独じゃない〟って思ったんです」
「そうか」
「はい。何か夢を見る時は、〝これでもか〟ってぐらい、
両親が出てくる事が多いんです」
「そっか。それはきっと、霧河さんにとってそれぐらい、
〝思い入れのある大事な両親だった〟って事じゃないのかい?」
「そうなんでしょうかね?」
「ああ。そうに違いないさ!」
「確かにそうかもしれませんね。そういえば、それと、クリスマスだった昨日、帰った後、家族との思い出のアルバムを見て、
その後、両親から最後にもらったクリスマスプレゼントのギターで作った両親への感謝の気持ちを綴った曲を弾いたんです」
「へ~。凄いね!でも、そこまでするって事は、やっぱり絶対、
その両親が大好きなんだよ!!!」
「そうですね!!!」
「うん!!!てか、お客さん、ギター弾けるの?じゃあ、今度、元日に〝年明けパーティ〟ってのをやるんだけど、大事なモノなのに
悪いけど、もし、その日、仕事が休みなら、そのアコースティックギター、ウチで弾いてくれねぇか?エレキギターはさすがに
使える環境じゃないけど」
「え?はい。僕は良いですけど・・・」
「そうか!!!休みなんだな!!!ありがとな!!!」
「いえいえ。でも、個人経営のお店なのに、元日も開店するんですか?あと喫茶店で大きな音を出して大丈夫ですか?」
「うん。まぁ、元日にどっかに遊びに行って、ウチに寄る人も
多いんでね。それに、毎年、〝年明けパーティ〟をする時は、
〝今日はパーティなので、ライブをします。その音が苦手な人は、テイクアウトするか、また後日お越しください〟って看板を
店の前の看板の横に置くし、ウチの店の壁、映画館の壁みてぇに
大きな音も良く吸収するようになってるから、
あんま近所迷惑の事、考えなくて良いし」
「そうなんですね(笑)」
「ああ、掃除や手入れも、いつもしっかりやってるし、
小さな店で、別にゴージャスでも何でもねぇけど、さっき話した
ように、俺は、昔からギャンブル好きだけど、あの話のあと、
色々競馬の事とか勉強して、それが自分でも驚くくらい良く当たるようになったからな。定期的に工事してるから、
防音加工と頑丈さだけはあるぜ!!!」
「へ~!!!それは凄いですね!!!」
「だろ~?!」
「はい!!!〝年明けパーティ〟、とても楽しみです!!!」
「おう!!!サンキューな!!!」
その後、霧河はお勘定し、
「ごちそうさま」と言って、店を出ようとした。
だが・・・・・・
「あ~、そういえば、聞き忘れてたんですけど、このお店、
窓河さんが継ぐ前は、一体、なんてお名前だったんですか?」
「あ、あ~・・・そういや、それは、俺も覚えてねぇや(笑)。
ずっと昔の事だし、年のせいもある。悪いな」
「そうですか」
〝バタン〟
霧河が店長・窓河に「へ~!そうだったんですね!!
とっても良いお話ですね!!」と言った。
「そうか?(笑)」
「はい!!」
「〝窓河さん〟なんですね。何か、僕と苗字が似てますね」
「そうなの?お客さんは、なんて名前なんだい?」
「〝霧河竜令きりかわりゅうれい〟です」
「へ~!!確かに、苗字の方は俺と似てるな~!!」
「はい(笑)。何か親近感沸きます(笑)」
「苗字が似てるってだけでか?(笑)」
「いや、それだけじゃなくて、店長さん、いや、
窓河さんと僕が少し似ていると思って」
「そうか?どんなところが?」
「〝一人ぼっちだった〟ってところです」
「へ~。お客さん、いや、霧河さんも、一人ぼっちだったの?」
「はい。というより、今も、一人でいる事は多いし、
相変わらず一人が好きです」
「そうか~。そういや、さっき、〝幼い頃に両親を亡くした〟って言ってたな」
「はい。正直言うと、あの時から僕は、ずっと一人だと
思ってました。けど、最近、会社で突然、
倒れちゃって、その時、夢の中に両親が出てきて、
母が〝心配してくれる良い友達が出来た〟って言ってくれて、
目が覚めたら、お茶を持ってきてくれた仕事仲間に
〝自分の身体を大事にして〟って言ってもらえて、
〝僕はもう孤独じゃない〟って思ったんです」
「そうか」
「はい。何か夢を見る時は、〝これでもか〟ってぐらい、
両親が出てくる事が多いんです」
「そっか。それはきっと、霧河さんにとってそれぐらい、
〝思い入れのある大事な両親だった〟って事じゃないのかい?」
「そうなんでしょうかね?」
「ああ。そうに違いないさ!」
「確かにそうかもしれませんね。そういえば、それと、クリスマスだった昨日、帰った後、家族との思い出のアルバムを見て、
その後、両親から最後にもらったクリスマスプレゼントのギターで作った両親への感謝の気持ちを綴った曲を弾いたんです」
「へ~。凄いね!でも、そこまでするって事は、やっぱり絶対、
その両親が大好きなんだよ!!!」
「そうですね!!!」
「うん!!!てか、お客さん、ギター弾けるの?じゃあ、今度、元日に〝年明けパーティ〟ってのをやるんだけど、大事なモノなのに
悪いけど、もし、その日、仕事が休みなら、そのアコースティックギター、ウチで弾いてくれねぇか?エレキギターはさすがに
使える環境じゃないけど」
「え?はい。僕は良いですけど・・・」
「そうか!!!休みなんだな!!!ありがとな!!!」
「いえいえ。でも、個人経営のお店なのに、元日も開店するんですか?あと喫茶店で大きな音を出して大丈夫ですか?」
「うん。まぁ、元日にどっかに遊びに行って、ウチに寄る人も
多いんでね。それに、毎年、〝年明けパーティ〟をする時は、
〝今日はパーティなので、ライブをします。その音が苦手な人は、テイクアウトするか、また後日お越しください〟って看板を
店の前の看板の横に置くし、ウチの店の壁、映画館の壁みてぇに
大きな音も良く吸収するようになってるから、
あんま近所迷惑の事、考えなくて良いし」
「そうなんですね(笑)」
「ああ、掃除や手入れも、いつもしっかりやってるし、
小さな店で、別にゴージャスでも何でもねぇけど、さっき話した
ように、俺は、昔からギャンブル好きだけど、あの話のあと、
色々競馬の事とか勉強して、それが自分でも驚くくらい良く当たるようになったからな。定期的に工事してるから、
防音加工と頑丈さだけはあるぜ!!!」
「へ~!!!それは凄いですね!!!」
「だろ~?!」
「はい!!!〝年明けパーティ〟、とても楽しみです!!!」
「おう!!!サンキューな!!!」
その後、霧河はお勘定し、
「ごちそうさま」と言って、店を出ようとした。
だが・・・・・・
「あ~、そういえば、聞き忘れてたんですけど、このお店、
窓河さんが継ぐ前は、一体、なんてお名前だったんですか?」
「あ、あ~・・・そういや、それは、俺も覚えてねぇや(笑)。
ずっと昔の事だし、年のせいもある。悪いな」
「そうですか」
〝バタン〟