「俺、色々考えた。やっぱり、あの喫茶店、

もらっても良いかな?」

「え!?どうしたの!?前に話した時と言ってる事が真逆じゃない!?」

「いや、実は、昨日、言いそびれたんだけど、

俺、会社、クビになっちまったんだ」

「え!?何で!?」

「ハメられちまったんだ。俺の事を嫌ってるヤツが勝手にお客さんに届ける品を入れてる箱の中に一緒にクモを入れて、それを

〝コイツがやりました〟って言われてさ」





「大変じゃない!?窓河君だけじゃなくて、お客さんも凄く困ったでしょ!?ちゃんともう1回、話した方が良いんじゃない!?」

「いや、皆、誰も、俺の事を信じてくれないんだ。

いくら話したってムダだろ」

「そんな・・・・・・」





「でも、これで良い。俺、前から思ってたけど、あの会社で

働いてても、幸せにはなれなさそうだから。それに、

今だって、コンビニのお菓子で全く笑いさえしなかった

おばあちゃんがとても喜んでくれたろ!?今、それが

かなり嬉しかったんだよ!!!」

「そう?分かった。じゃあ、祖父の遺言通り、あのお店、

窓河君に譲るわ」

「うん!本当にありがとうね!!」