そして、次の日、彼女は会社にはいないが、

窓河は、いつも通り働いている。しかし、やっぱり、

仕事は冴えない。





「は~。やっぱ俺、仕事はダメだな~・・・」





それは、相変わらずだった。しかし、そんな中、昨日、

彼女が言っていた言葉を思い出した。「いつでも来てね」と。

「いつでも来てね・・・か」





その日、夜になり、仕事が終わった後、窓河は、そのまま、

昨日のお言葉に甘えて、彼女の家へ向かった。





〝ピーンポーン〟





「は~い」彼女が出た。

「ハァハァハァ」窓河は、息を荒げている。

「アレ?窓河君?どうしたの!?」

「ごめん!ちょっと、すぐ聞いて欲しい話があって、走って来たんだよ!!突然ごめん!!!」

「良いわよ!窓河君、息が切れてるから、

とりあえず、中に入って落ち着いて!!」

「うん・・・ハァハァハァ・・・」





「で、何があったの?」

「俺、もう、この仕事、辛いんだよ・・・限界なんだよ・・・」

「どうして?窓河君、いつも、仕事、一生懸命頑張ってるのに」

「いや、頑張るとか頑張らないとかじゃなくて、俺、この仕事、

上手くこなせてないし、いつも、

君や職場の皆やお客さんには迷惑かけてばかりだし、

周りの皆とは上手く打ち解けられねぇし・・・」

「そうなの?」

「〝そうなの?〟って、そりゃ、見てりゃ分かるでしょ」

「あ~、ごめん!私は、そう思った事が全くないから。」





「そうか・・・でも、俺、昔から、いつも一人で、

名前が〝窓河〟で、そんで、席替えの時も、たまたま〝窓際〟に

なる事が多かったから、〝窓際族の窓河〟なんて、昔から

呼ばれてたんだ。でも、〝窓際族〟なのは、

今も変わってないんだけど・・・その上、

俺を採用した上司にだって、〝何でお前みたいなヤツを採用したんだろ?〟って言われる始末だし・・・・・・」

「そうなんだ」

「もう、嫌なんだよ!!この忌々しい蔑称も!!!自分も!!!」