そうして2人は〝グロリアスライダー〟の魅力を語り合った。





すると霧河が

「俺も昔は、あんなたくさんの人を助けて、

たくさんの人から愛されるカッケー男になりたかったんだけどな~・・・」と言った。





「え?何言ってんの?もうなってんじゃん」

「え?いやいや、冗談はやめてくれよ(笑)。

俺はあんな強くないし、あんなに大勢の人を助けたりなんかも

出来ないよ」

「いや!兄ちゃんはもう、たくさんの人を助けてる!!だって、

ちゃんと、俺にもクリスマスプレゼントくれたし、いつも俺だけ

じゃなくて、他の人達にもプレゼントをあげてるんだろ?!」

「ま、まぁ、そうだけど・・・でも、こんなの、俺が自己満足で

やってるだけだし、本当はやっちゃいけない事だしね」

「いいや!兄ちゃんは、〝サンタクロース〟っていうヒーロー

だよ!!!たくさんの人達に、プレゼントだけじゃなくて、夢や

希望まであげてんじゃん!!!超カッケ―ヒーローじゃん!!!」

「・・・・・・!!!」





霧河は感動し、両親の事を思い出した。

(そうだ。俺がまだサンタさんを信じてた頃も、俺にとって

サンタさんは、自分の寝てる間に姿を見せずにプレゼントをくれるヒーローのようなカッコ良い存在だった。

でも、死んだ後だったけど、いつも、

プレゼントをくれてたのが実は父さんと母さんだって

知ってからは、父さんと母さんが俺にとってのヒーローに

なったんだ。こんな大切な事、すっかり忘れてしまうなんて、

俺は・・・・・・)





その時抱いた感情が蘇り、霧河は泣いた。





「に、兄ちゃん・・・どうしたの?突然泣いて・・・」





それに対し、

「あ、いや、〝グロリアスライダー〟がカッコ良過ぎて、

思い出したら涙が出てきたんだよ」と嘘をついた。





「何だよそれ(笑)。でも、感動シーンもいっぱいあるよな!!!」

「うん!!!」