「でも、サンタさんが本当にいたなんて、私、すっごく嬉しい!!」

「え・・・!?」

「だって、この前、友達に〝サンタさんは本当はいないかもしれない〟って言われちゃったから、いるかいないか不安だったから!!だから、今年はお父さんやお母さんに〝プレゼントが欲しい〟って言わなかったの」





霧河は、まさか、そんな事を言ってくれるとは思っていなかった。

(そうだったったのか・・・なんて純粋な娘なんだ!!)





「そういえばお兄さん、さっき言ってたけど、

何で〝サンタクロースパイ〟って言うの?」

「あ~、俺ね、〝スパイ〟みたいなやり方で子供達にプレゼントをあげてるからさ」

「そうなんだ~」

「うん」

「でも〝スパイ〟ってなぁに?」

「〝スパイ〟っていうのは、コッソリ何かのグループや他人の事を調べたり、建物の中とかに忍び込んだりする事だよ。ホントは

あんまり良い事じゃなんだけどね・・・」

「へ~」

「だから、真似しちゃダメだよ!!それに、俺の事は、もちろん、たとえお父さんやお母さんだろうと、他の人達には言っちゃ

ダメだよ!もし、言わないなら、毎年クリスマスに

君にプレゼントをあげに来るから!!」

「は~い!!」