霧河は、家を出て、まず最初に、「犬の人形が欲しい」と

言っていた女の子の家へ向かった。





そして、金属の棒を使ってカギを回し、ドアを開けた。





〝ガチャ〟





念のため、霧河が他人の家に入っているその間にも、泥棒などが

入ってこないようにするため、いつも、入ったらすぐ、内側から

手袋をつけた手でドアのカギをかけている。





〝ガチャ〟





「なるほど。こういう家か~」と思いながら霧河は、出来るだけ

足音を立てないように気をつけながら、

ペンライトを使って歩きながら、女の子の部屋を探し、

その部屋に入った。





〝キー〟





そこには女の子が寝ていた。女の子らしく、

可愛いモノやオシャレなモノでいっぱいだった。

「へ~。女の子らしい部屋だな~!」と霧河は思った。そして、

枕元に犬の人形をそっと置く。

そうすると次の瞬間、女の子はたまたま目を覚ました。





目をこすり、

「トイレ~・・・」と言った。





霧河は慌て、

「あっ!マズい!!」と壁に頭をぶつけた。

女の子が

「え?誰かいるの!?」と言って、電気を点けた。すると、霧河の姿が見えた。

女の子は「キャ~!!!」と叫んだ。