再び本を開き、さっきはどこまで読んだかなとページをめくっていく。ぺらぺらと心地のいい音が耳に入るのも束の間、その音はすぐにチャイムにかき消されてしまった。
櫻井さんと話をしていなかったらもっと読み進めることができたのに。
心の中で小さく不満をたれながら渋々本を鞄へしまうと、担任の先生が教室へ入ってきた。それを合図に生徒たちが各自の席へつく。
「みんなおはよう。久しぶりに顔が見れて嬉しいぞ!」
体育を担当しているだけあってハキハキと喋る先生。普段からフレンドリーでクラスメイトたちにも好かれていて、今もみんな親しげに「先生おはよー!」なんて言っているくらいだ。
私だけだ、この人の裏側を知っているのは。
『あーあ、今日からまたこいつらの面倒見なきゃいけないのか。面倒だなぁ。転校生もガラが悪いし』
……こういう人がいるから、私は誰も信じることができないんだ。
みんな口では聞こえの良いことばかりを並べているけれど、心の中はこんなもの。
かくいう私だって例外じゃない。表面上では櫻井さんと普通に会話をしているのに、本音は不満一色。そんな自分が嫌で仕方がないけれど、私にはどうすることもできない。
櫻井さんと話をしていなかったらもっと読み進めることができたのに。
心の中で小さく不満をたれながら渋々本を鞄へしまうと、担任の先生が教室へ入ってきた。それを合図に生徒たちが各自の席へつく。
「みんなおはよう。久しぶりに顔が見れて嬉しいぞ!」
体育を担当しているだけあってハキハキと喋る先生。普段からフレンドリーでクラスメイトたちにも好かれていて、今もみんな親しげに「先生おはよー!」なんて言っているくらいだ。
私だけだ、この人の裏側を知っているのは。
『あーあ、今日からまたこいつらの面倒見なきゃいけないのか。面倒だなぁ。転校生もガラが悪いし』
……こういう人がいるから、私は誰も信じることができないんだ。
みんな口では聞こえの良いことばかりを並べているけれど、心の中はこんなもの。
かくいう私だって例外じゃない。表面上では櫻井さんと普通に会話をしているのに、本音は不満一色。そんな自分が嫌で仕方がないけれど、私にはどうすることもできない。