櫻井さんやクラスメイトたちの思惑通りになるのはなんだか癪だけど、そこまでやりたがるんだったらさすがに、ね。
「私は別に、やってもいいかな……って」
伊藤くんの反応が怖くてしどろもどろになりながらも、私は櫻井さんの提案を承諾した。また人に流される形になってしまったのが少し悲しい。
「……まじで?」
すると、伊藤くんはあっけにとられたように聞き返してきた。というか、完全にあっけにとられていた。キャラ作りを忘れるほど意外だったらしい。
考えてみれば、あんなに凄まれていたのに承諾したのだから伊藤くんが戸惑うのも無理はないのかもしれない。
「えっと、うん。伊藤くんも一緒にどうかな……?」
なんというか、そんな反応をされると逆にこっちが驚いてしまう。