……果たして何がいけなかったのだろうか。
「――以上のことから、私は伊藤くんと山下さんを文化祭実行委員に推薦します!」
逃げ帰った翌日のホームルーム、文化祭実行委員を決める際に櫻井さんがそんなことを口走った。
まだ学校に慣れていない伊藤くんに文化祭を通して学校のことをより知ってもらい、それを一番仲のいい私が補助する。……というのが彼女の言い分だった。
前半部分はまあよしとしよう。学校のことを深く知るために学校行事に参加するというのは理にかなっているし、ふたり体制でやるのも合理的だ。
でも、それを支えるのがなぜ私なのだろうか。
櫻井さんはクラス委員だから文化祭実行委員を掛け持ちできないのはわかっているつもりだ。しかし、だからといってちょっと伊藤くんと話をしていただけの私を選ばないでほしい。