「それじゃあ職員室までもっていこ」
私は鞄を持ち、今度こそ教室を出ようと扉を開く。
「あっ」
そして、扉の先にいた人物を見て思わず声が漏れた。
目の前には、息を切らした櫻井さんが立っていた。肩で息をして、動きにあわせてポニーテールが小さく揺れている。『塾で使う参考書を机の中に置き忘れた』らしく、慌てて戻ってきたようだ。
櫻井さんは教室でふたりきりになっていた私と伊藤くんを交互に見つめると、すぐに呼吸を整えてにやにやと怪しげな笑みを浮かべ始めた。
……これ、絶対面倒なやつだ。
私は鞄を持ち、今度こそ教室を出ようと扉を開く。
「あっ」
そして、扉の先にいた人物を見て思わず声が漏れた。
目の前には、息を切らした櫻井さんが立っていた。肩で息をして、動きにあわせてポニーテールが小さく揺れている。『塾で使う参考書を机の中に置き忘れた』らしく、慌てて戻ってきたようだ。
櫻井さんは教室でふたりきりになっていた私と伊藤くんを交互に見つめると、すぐに呼吸を整えてにやにやと怪しげな笑みを浮かべ始めた。
……これ、絶対面倒なやつだ。