こうなったらもうおしまいだ。櫻井さん以外の子は伊藤くんに話しかけようとすらしないから、私が教える以外に選択肢がなくなってしまう。
しかし、どうやって教えるべきか。本人がわかると言い張っているのに、ずけずけと歩み寄って教えても違和感がある気がする。だからといってこのまま放っておくのも忍びない。
「えっと、櫻井さん」
思い立った私はとっさに立ち上がり、席につこうとした櫻井さんを引き留めた。
「山下さん? どうしたの?」
「実はその、まだ先のことなんだけど夏休みの間に日直の仕事がどんなのか忘れちゃって。さっき伊藤くんと話してたみたいだから私にも教えてほしいなって」
本当は忘れてないけどね。職員室に日誌を取りに行って、授業前後の号令をかけて、帰りの戸締り確認と一日の振り返りを日誌に書くだけだもん。
細かいところを挙げるなら、翌日の日直の名前を黒板に書いたりみんなの提出物を集めるくらいだ。
しかし、どうやって教えるべきか。本人がわかると言い張っているのに、ずけずけと歩み寄って教えても違和感がある気がする。だからといってこのまま放っておくのも忍びない。
「えっと、櫻井さん」
思い立った私はとっさに立ち上がり、席につこうとした櫻井さんを引き留めた。
「山下さん? どうしたの?」
「実はその、まだ先のことなんだけど夏休みの間に日直の仕事がどんなのか忘れちゃって。さっき伊藤くんと話してたみたいだから私にも教えてほしいなって」
本当は忘れてないけどね。職員室に日誌を取りに行って、授業前後の号令をかけて、帰りの戸締り確認と一日の振り返りを日誌に書くだけだもん。
細かいところを挙げるなら、翌日の日直の名前を黒板に書いたりみんなの提出物を集めるくらいだ。