翌朝、下駄箱で上靴に履き替えているとばったり伊藤くんと鉢合わせた。
「あ、伊藤くん。おはよう」
上靴を乱雑に床へ並べた伊藤くんに声をかけて、私ははっとした。
……なんで挨拶なんかしてるんだろう。
普段クラスメイトと顔を合わせても自分から挨拶しない私が、よりにもよって自分から声をかけるなんて。
ここ数日ずっと伊藤くんを見ていたり、ところどころで助け船を出していたから距離感があやふやになっていたのかもしれない。
彼の本心がどれだけ善良でも、私が人の心を読めるなんて知りもしない伊藤くんや周囲の人からすればこの挨拶は不自然極まりないもののはず。
誰もが恐れる不良生徒に好き好んで声をかける異常者と思われるかもしれない。
完全に無意識だった。というより、無警戒だった。
伊藤くんとなら話をしても大丈夫そう……なんてぼんやりと考える日もあったからきっとそのせいだ。
「あ、伊藤くん。おはよう」
上靴を乱雑に床へ並べた伊藤くんに声をかけて、私ははっとした。
……なんで挨拶なんかしてるんだろう。
普段クラスメイトと顔を合わせても自分から挨拶しない私が、よりにもよって自分から声をかけるなんて。
ここ数日ずっと伊藤くんを見ていたり、ところどころで助け船を出していたから距離感があやふやになっていたのかもしれない。
彼の本心がどれだけ善良でも、私が人の心を読めるなんて知りもしない伊藤くんや周囲の人からすればこの挨拶は不自然極まりないもののはず。
誰もが恐れる不良生徒に好き好んで声をかける異常者と思われるかもしれない。
完全に無意識だった。というより、無警戒だった。
伊藤くんとなら話をしても大丈夫そう……なんてぼんやりと考える日もあったからきっとそのせいだ。