それから自分が嫌われていると思うと周りの目が怖くて、常に悪口を言われているように思えてならなかった。
被害妄想――。
教室に足を踏み入れるのも辛く、また情けなくて、自分が消えてしまいたいと安易に思ってしまう。
精神が参ってしまっていた。
そしてこの日、その気持ちが抑えられなくて衝動的にホームから飛び込もうと魔が差したわけだ。
リュウゴは静かに耳を傾け、時々私の気持ちを汲んで相槌を打っていた。
それが心地よくて、私はこの時とばかりに胸のうちを吐き出した。
そのまま訥々とリュウゴに話しているうちに、私のハーブティが運ばれてきた。
花柄の白いティーカップに注がれた淡く輝いた黄色い液体。
ほのかに香るリンゴのような匂い。
湯気が優しく漂っていた。
私がそれをじっと見つめている間、リュウゴは早速自分のコーヒーカップを手にし、砂糖もミルクも入れずに口に一口ふくんで味わう。
カウンターの奥からマスターがこちらを気にして見ていた。
だから私もカップを手にとって口をつけた。
初めて飲んだハーブティ。
香りはするけど、口に含めば温かいお湯。
頼りない味ではあったが、それが舌にまろやかですんなりと馴染んだ。
ゆるりと喉を通って身体に入るとふっと力が抜けたように気持ちが軽くなった。
「美味しい?」
微笑みながらリュウゴが私に訊く。
正直これが美味しいと呼べるのかわからない。
でも魔法がかかったように気持ちが和らいだのが不思議だった。
リュウゴを目の前にすればそれはきっと何でも美味しくなるのだろう。
それにリュウゴが私のために選んでくれたお茶。
だから軽く頷いた。
そしてまた私は一口飲む。
二度目はすでに味を知って慣れたようにすっと身体に入っていく。
どこか優しくて、それがリュウゴと重なって、私はカモミールティも好きになっていた。
これを飲むたびにリュウゴを感じられるような気になった。
それと同時にリュウゴが自分の前に居ることも段々当たり前のように思えてならなかった。
それぐらい、彼には人を惹きつけるオーラがあった。
「あの」
すっかり落ち着いたとき、私はカップを両手に抱えて声をかけていた。
被害妄想――。
教室に足を踏み入れるのも辛く、また情けなくて、自分が消えてしまいたいと安易に思ってしまう。
精神が参ってしまっていた。
そしてこの日、その気持ちが抑えられなくて衝動的にホームから飛び込もうと魔が差したわけだ。
リュウゴは静かに耳を傾け、時々私の気持ちを汲んで相槌を打っていた。
それが心地よくて、私はこの時とばかりに胸のうちを吐き出した。
そのまま訥々とリュウゴに話しているうちに、私のハーブティが運ばれてきた。
花柄の白いティーカップに注がれた淡く輝いた黄色い液体。
ほのかに香るリンゴのような匂い。
湯気が優しく漂っていた。
私がそれをじっと見つめている間、リュウゴは早速自分のコーヒーカップを手にし、砂糖もミルクも入れずに口に一口ふくんで味わう。
カウンターの奥からマスターがこちらを気にして見ていた。
だから私もカップを手にとって口をつけた。
初めて飲んだハーブティ。
香りはするけど、口に含めば温かいお湯。
頼りない味ではあったが、それが舌にまろやかですんなりと馴染んだ。
ゆるりと喉を通って身体に入るとふっと力が抜けたように気持ちが軽くなった。
「美味しい?」
微笑みながらリュウゴが私に訊く。
正直これが美味しいと呼べるのかわからない。
でも魔法がかかったように気持ちが和らいだのが不思議だった。
リュウゴを目の前にすればそれはきっと何でも美味しくなるのだろう。
それにリュウゴが私のために選んでくれたお茶。
だから軽く頷いた。
そしてまた私は一口飲む。
二度目はすでに味を知って慣れたようにすっと身体に入っていく。
どこか優しくて、それがリュウゴと重なって、私はカモミールティも好きになっていた。
これを飲むたびにリュウゴを感じられるような気になった。
それと同時にリュウゴが自分の前に居ることも段々当たり前のように思えてならなかった。
それぐらい、彼には人を惹きつけるオーラがあった。
「あの」
すっかり落ち着いたとき、私はカップを両手に抱えて声をかけていた。