私は特に慌てることもなく、箱から一枚写真を選んでそれをおばあちゃんに見せてあげた。
「これ、リュウゴがおばあちゃんよりも年上だったときの写真。この時のおばあちゃんは私みたいに高校生だったね。この時からリュウゴは今と全く同じ姿。髪の毛は伸びたりするけど、リュウゴは本当に歳を取らない」
おばあちゃんはその写真を見て動揺していた。
もっと見たいだろうと思ったので、私は適当に他の写真を手にして、時系列に次々とおばあちゃんに見せてあげた。
おばあちゃんは歳を取っていくけど、一緒に写るリュウゴは全く歳を取っていない。
そしておばあちゃんは困惑して私を見つめた。
だから私はおばあちゃんの名前を呼んであげた。
「麻弥ちゃん。そういう訳なんだ。リュウゴは不老不死なの」
その時おばあちゃんは叫んだ。
やっと口がスムーズに動くようになったみたいだ。
「返し……て、わた、しの……か、ら、だ」
麻弥がリュウゴに助けられてこの家に初めて来たとき、私がおばあちゃんだった。
麻弥を見れば、私はすぐに気に入った。
今度はこの子になれるのね。
未熟で完成しきってない風貌。
中身が変わればこの先素敵に変われるようなダイヤモンドの原石みたいだった。
私は麻弥に質問を浴びせ、必要な情報を引き出した。
麻弥になるためだ。
麻弥もリュウゴに恋をしたことで私のリュウゴに対する思いと共鳴し、私は麻弥に乗り移れる準備が整った。
麻弥の手を取り、私に備わった特別な力でふたりの心を入れ替える。
私が歳を取る度、何度と繰り返してきたことだった。
そして私たちは入れ替わり、私はその日から麻弥の身体に入って生まれ変わった。
その時、みんなが急に変わったと言い出したのも当たり前だ。
すでに中身が違っていたのだから。
その後、私は自分の努力を怠らなかった。
与えられたチャンスに感謝してやれるだけの事をやる。
リュウゴのために素敵な女性になりたい思いがそうさせた。
外見は変わっても、リュウゴは必ず中身を見てくれる。
分かっていたから、私は違った入れ物の中で精一杯自分を表現しなければならなかった。
そんなときに愛美里が現れ、私からリュウゴを奪おうと策略を立てた。
家に押しかけ、中身が麻弥のおばあちゃんと会い、そこで麻弥は愛美里に助けを求めた。
必死に自分が同じクラスの麻弥だと伝え、私が偽物の麻弥だと知らせようとした。
愛美里は助けようとするどころか、事情を知れば自分が乗っ取られるかもしれないと恐怖して、麻弥から掴まれた手を必死に振り払って一目散に逃げた。
それから私を怖がりだした。
麻弥がどんなに身に起こった事を説明して騒いでも、年だからボケたと言うだけでみんなが納得してしまう。
「返して、私の、からだ」
麻弥がまた叫ぶ。
でもその声は年老いて弱々しかった。
「これ、リュウゴがおばあちゃんよりも年上だったときの写真。この時のおばあちゃんは私みたいに高校生だったね。この時からリュウゴは今と全く同じ姿。髪の毛は伸びたりするけど、リュウゴは本当に歳を取らない」
おばあちゃんはその写真を見て動揺していた。
もっと見たいだろうと思ったので、私は適当に他の写真を手にして、時系列に次々とおばあちゃんに見せてあげた。
おばあちゃんは歳を取っていくけど、一緒に写るリュウゴは全く歳を取っていない。
そしておばあちゃんは困惑して私を見つめた。
だから私はおばあちゃんの名前を呼んであげた。
「麻弥ちゃん。そういう訳なんだ。リュウゴは不老不死なの」
その時おばあちゃんは叫んだ。
やっと口がスムーズに動くようになったみたいだ。
「返し……て、わた、しの……か、ら、だ」
麻弥がリュウゴに助けられてこの家に初めて来たとき、私がおばあちゃんだった。
麻弥を見れば、私はすぐに気に入った。
今度はこの子になれるのね。
未熟で完成しきってない風貌。
中身が変わればこの先素敵に変われるようなダイヤモンドの原石みたいだった。
私は麻弥に質問を浴びせ、必要な情報を引き出した。
麻弥になるためだ。
麻弥もリュウゴに恋をしたことで私のリュウゴに対する思いと共鳴し、私は麻弥に乗り移れる準備が整った。
麻弥の手を取り、私に備わった特別な力でふたりの心を入れ替える。
私が歳を取る度、何度と繰り返してきたことだった。
そして私たちは入れ替わり、私はその日から麻弥の身体に入って生まれ変わった。
その時、みんなが急に変わったと言い出したのも当たり前だ。
すでに中身が違っていたのだから。
その後、私は自分の努力を怠らなかった。
与えられたチャンスに感謝してやれるだけの事をやる。
リュウゴのために素敵な女性になりたい思いがそうさせた。
外見は変わっても、リュウゴは必ず中身を見てくれる。
分かっていたから、私は違った入れ物の中で精一杯自分を表現しなければならなかった。
そんなときに愛美里が現れ、私からリュウゴを奪おうと策略を立てた。
家に押しかけ、中身が麻弥のおばあちゃんと会い、そこで麻弥は愛美里に助けを求めた。
必死に自分が同じクラスの麻弥だと伝え、私が偽物の麻弥だと知らせようとした。
愛美里は助けようとするどころか、事情を知れば自分が乗っ取られるかもしれないと恐怖して、麻弥から掴まれた手を必死に振り払って一目散に逃げた。
それから私を怖がりだした。
麻弥がどんなに身に起こった事を説明して騒いでも、年だからボケたと言うだけでみんなが納得してしまう。
「返して、私の、からだ」
麻弥がまた叫ぶ。
でもその声は年老いて弱々しかった。