「桜庭さん、相当高宮さんをライバル意識してるみたいだね」

「高宮さん、雰囲気が変わったし、成績もよくなったから桜庭さんのプライドが許さないんだろうね。あの人、自分よりも目立つ人を潰そうとするから」

 愛美里はやっぱり自分が上級だと思っていた。

 さりげなく近づいて私の様子を探っている。

 あんな美人の愛美里がこの私を目の上のたんこぶに思っているなんて、冷静に考えれば光栄なことなのかもしれない。

 冴えなかった高宮麻弥がそこまで変われた証拠だ。

 でも悠長に笑っていられなくなった。

 愛美里は私を蹴落とそうとする何かを虎視眈々と狙っていたからだ。

 そして私の恐れている事が起こってしまったから、私もやられたと思わずにはいられなかった。