静かな住宅街に建つ少し古い日本家屋の家。

 年季が入っていた。

 ここがリュウゴの家。

 案内されるまま上がり込むと、年老いたおばあちゃんが大げさに喜んで、私を温かく歓迎してくれた。

「あら、かわいらしい女の子だね」

「麻弥ちゃんだよ」

 その側で優しく寄り添い介護するリュウゴ。

 リュウゴは私と会った事をおばあちゃんに全て話した。

 自殺のところは飛ばして、ホームに落ちそうになったことだけを伝えていた。

「そうかいそうかい、リュウゴが助けたのかい。いい事をしたね」

 目を細めると更に目じりに皺ができるおばあちゃん。

 私の事を気に入ってくれたみたいだ。

 私も精一杯優しく接する。

 ぎゅっとおばあちゃんに手を握られて喜んでくれるから嬉しかった。

 おばあちゃんは私に色々と質問してくる。

 おばあちゃんは大げさに褒め、大げさに驚き、大げさに喜ぶ。

 それが楽しくて私は自分の事をいろいろ話していた。