“若者世代が住みたい田舎部門☆第一位”
“シニア世代が住みたい田舎部門☆第一位”

とか。

京香はスリットから入り込む冷たい空気に初冬の色を感じながらもエナメルのピンヒールで改札を抜けた。

私にはどーでもいーんだけど?

駅前に掲げられた垂れ幕を見て、京香は捨て台詞を吐く。黄昏時、昼なのか夜なのかはっきりしないこの時間が京香は嫌いだった。

ここは栃木県栃木市。
関東平野の北のはずれ。

駅前にはだだっ広いロータリーがあり、中央には半円形のどでかいモニュメントが立っている。

人口16万人の県内第三の都市。

基本、車社会なので駅を利用するのはもっぱら学生。
人口のわりに高校はたくさんあるのも一因だ。公立は男子校、女子校、共学、工業、農業、商業。それから私立。詰め襟やセーラー、ブレザーの制服たち。

そんな中で京香は浮きまくっていた。

背中の大きくあいた黒のドレス、スリットの入ったスカート。白い太ももがチラチラした。田舎に似つかわしくないドレッシーな艶姿に女性すらも振り返る。

これから電車に乗り込もうとする男子学生がすれ違いざま、京香に見つからないようにその足を見やった。

見たければ見れば?
減るもんじゃなし。