まるで、初めて誕生日祝いを、するみたいだ。

「もしかして、私……あまり賢人の誕生日って、してこなかった?」

「そんな事ないよ。」

賢人は、思いっきり否定。

「付き合ってから、毎年してくれたよ。ただ……」

「ただ?」

「事故に遭ってから、初めての誕生日祝いだから、なんだか、新鮮な気がして。」


感動して、ケーキやハンバーグに、目を奪われてる賢人。

それは、本当に久しぶりだからなのか。

それとも……





“初めての体験、だから?“




その考えが頭に巡った時、私は急いでそれを消した。

何を考えているの?

どこまで、賢人を疑うの?

私は、自分自身を責めた。


「本当に有り難う、珠姫。」

目の前で、目を潤ませながら微笑んでいる賢人を見て、その気持ちは、より一層増した。