私の返事を聞いて、少し戸惑いながら、シャツに首を通す賢人。

「緊張してる?」

「久しぶりだからね。」

賢人はバスタオルで髪を乾かしながら、私の横に座った。

「ビールでも飲む?」

「うん。」

私は立ち上がると、冷蔵庫の扉を開けた。

「珠姫も飲もうよ。」

「……そうね。」

私は缶ビールを2本取り出し、リビングに戻った。

「はい、賢人。」

「有り難う。」

二人で缶ビールを開けると、賢人が缶ビールを差し出してきた。

「辛い思い出だったけど、とりあえず、一つ記憶を取り戻したって事で。乾杯!」

「はははっ!乾杯!」

笑っちゃったけど、それも事実だ。

そして、そんな辛い記憶でも、こうして笑える事ができるのは……









賢人。


あなたのおかげ。