目の前には、賢人が作ってくれた、カレーが置かれた。

それとサラダ。

普段料理はしないと言っていた賢人にしては、なかなかの上出来だ。

「食べてみて。」

私はカレーを一口、食べてみた。

「美味しい。」

「でしょう?ルーが良かったんだよ。」

そして賢人は、高いカレールーは、やっぱり違う。

これでも、両親が用事でいない時は、必ず自分でカレーを作るとか、高いカレールーを買えば、素人でも美味しくできるとか、語っていた。

それを、うんうんと聞きながら、そのカレーを食べる私は、一時孤独を忘れて、賢人との二人の時間を楽しんだ。

お風呂から出ると、賢人はクローゼットから、白いシャツを取り出した。

「今日は、泊まって行くよ。いいでしょ?」

断る理由なんて、なかった。

「うん。」