「はぁああ……」

息が苦しくて、私はその写真立てを落とした。

「珠姫。これ、どこに……珠姫!」

キッチンから、私を見つけてくれた賢人が、私の側に来てくれた。


「どうした?やっぱり、どこか怪我した?」

私は賢人にしがみついた。

「ううっ……賢人……賢人!」

泣きじゃくる賢人が、私の側に落ちている写真立てに、気づいた。

「これを見たの?」

私は大きく頷いた。

「思い出したの!お父さんが死んで、お母さんも死んで、私……私!」

「珠姫、落ち着いて!」

「お母さんが、たくさんの借金を抱えていたなんて、知らなかったの!だから、途方にくれて……生まれてからずっと住んでた家を、手放したの!全部、全部!」

賢人は黙って、私の話を聞いていた。