「うん。」

「そのうち何かの拍子に、思い出すかもしれないって。」

「……そうね。」

私は下まで倒れたベッドで、横になりながら枕を直した。

「まあ、僕のイビキまで思い出されたら、困るけどね。」

「また、そんな事言って。」




私は、賢人を信じようと思った。


夢の中でキスをした賢人は、

プロポーズの場所が違ったって、

台詞が違ったって、

髪型が違ったって。





目の前にいる賢人と、同じ人だ。