「あっ、笑ったな。」

「だって、変な事言うんだもん。」

その内に、夕食のお粥は無くなってしまった。

「あれ?これっぽっち?珠姫、足りる?夜中にお腹空かない?」

「あんまり動いてないから、大丈夫だと思う。」

「そっか。もし、お腹空いたら言って。」


もしそうだとしても、何も食べる物はないのに。


でも、真剣な顔で後片付けをしている姿を見ると、この人が嘘をつくのかと、思ってしまう。

「賢人、この指輪……」

「ちょ、ちょっと待って。これ、片付けてくるから。」

賢人は夕食のトレーを持って、廊下に向かう。


「いい彼氏だこと。彼女に夕飯食べさせて、片付けもするなんて。」