でも、なかなか唇が重ならない。

『賢人?』

私がゆっくりと目を開けると、賢人が四角い箱を持っていた。

私は目を、パチクリさせた。

『なあに?これ。』

すると賢人は、その箱を開けた。

中には、指輪が入っていた。

『これ……』

私が顔を上げると、賢人は笑ってこう言った。

『婚約指輪。』

私は感激して、両手で顔を押さえた。

『……受け取ってくれますか?』

『もちろん!』

私は賢人に、抱きついた。

そしてそのまま、二人は唇を重ねた。

最高のプロポーズの、思い出になった。