夢の中で私は、車の助手席に乗っていた。

『……人。今日は晴れてよかったね。』

『ああ、そうだね。珠姫の仕事も、無事みつかったし。よかった、よかった。』

運転席に乗っているのは、恋人の賢人。

私が体を壊して仕事を辞めた後、ドライブに来たんだ。

『あなたのお父さんには、感謝しなきゃ。』

『そんなに気負いする事はないよ。親父は、未来の義理の娘の為に、一肌脱いだつもりなんだから。』

『ええ?』

私が振り返ると、賢人は道路の脇に、車を停めた。

『さあ、降りて降りて。ここ、いい景色なんだ。』

『もしかして、ここが目的?』

『一つ目はそう。』

そんな会話をして、私達は車を降りた。