そして、その後。

良人が私の前で膝間付いた時も、

『これ……婚約指輪。』

私は両手で顔を押さえながら、待ち望んだ言葉に、感激していた。

『……受け取ってくれますか?』

『もちろん!』

私は良人に抱きつき、その後唇を重ね、私達は最高のプロポーズの思い出に、酔いしれていた。


『珠姫。もう少し上に行ってみようか。』

『うん。こんなに天気がいんですもの。頂上からの眺めは、相当綺麗なはずよ。』

私と良人は、再び車に乗ると、丘の頂上を目指して、車を走らせた。

『気持ちいいねぇ。』

『うん。』


雲行きが怪しくなったのは、曲がりくねった道の向こうに、トラックを見つけた時だ。

『なんだ?あのトラック。危ないな。』

『本当だ。フラフラしている。』