***
……ああ、暑い。
昼休みの教室。
7月に入り、連日猛暑日が続いているということもあり、休み時間でもクーラーが入れられている。
しかし、さほど低い温度設定ではないエアコンでは、異常気象と言われる今年の暑さと僕ら高校生が集まった熱気には敵わないのか、室内は微妙に暑い。
クーラーが入っていても、うちわや下敷きで自分をあおぐクラスメイトの数は一人や二人ではなかったりする。
そんな中、僕はクラスの友達数人と、窓側の席にたむろって弁当をつついていた。
ただでさえ暑いのに、南向きの窓からは夏の日差しが入り込み、室内にいるにも関わらずやけてきそうなほどだ。
だがそれでも何となく窓側に集まるのは、ここからの景色がとても美しいから……というわけではない。
2年生になり、このクラスになったときからずっとそうなので、何となく惰性でそうしているだけだ。
……まあ、だからといって、窓からの景色に全く面白味がないかといえば、そうでもなく……
「あ、高遠《たかとお》きらり」
ふいに友達の一人が窓の外を見ながらそう声をあげた。
もう昼休みも終わろうかという時間。
その声につられるかのように、僕らはみんな窓から外へと視線を向けた。
……ああ、暑い。
昼休みの教室。
7月に入り、連日猛暑日が続いているということもあり、休み時間でもクーラーが入れられている。
しかし、さほど低い温度設定ではないエアコンでは、異常気象と言われる今年の暑さと僕ら高校生が集まった熱気には敵わないのか、室内は微妙に暑い。
クーラーが入っていても、うちわや下敷きで自分をあおぐクラスメイトの数は一人や二人ではなかったりする。
そんな中、僕はクラスの友達数人と、窓側の席にたむろって弁当をつついていた。
ただでさえ暑いのに、南向きの窓からは夏の日差しが入り込み、室内にいるにも関わらずやけてきそうなほどだ。
だがそれでも何となく窓側に集まるのは、ここからの景色がとても美しいから……というわけではない。
2年生になり、このクラスになったときからずっとそうなので、何となく惰性でそうしているだけだ。
……まあ、だからといって、窓からの景色に全く面白味がないかといえば、そうでもなく……
「あ、高遠《たかとお》きらり」
ふいに友達の一人が窓の外を見ながらそう声をあげた。
もう昼休みも終わろうかという時間。
その声につられるかのように、僕らはみんな窓から外へと視線を向けた。