「心外だな。あの時は“きれい”だって思ってくれたんでしょ?ーーつばき」

「……お前。何のつもりだよ」

「何のつもり?それはこっちのセリフだよ。あの後何度も朱い花を贈ったのに、神社へ来てくれないんだもん。ねえいこうよ、神社の向こう側に。ぼくはおまえが気に入ったんだ」

「冗談じゃない。おれは帰る」


少年から背を向ける。しかし、帰り道などあるはずもなくーーーー。